日本語の先生
今日はフランスへ移住する前に、日本で取った日本語教師の資格のことを書きたいと思います。
去年2016年8月に前職(SE)を辞めてから、フランスへ行くことを強く考えました。
とは言っても母の病気のことが心配だったので、タイミングはまだ決められないな・・・と悶々と悩んでいました。
でも次の職のこともあるし、"もしフランスへ行くなら"と思って仕事を辞めてすぐ日本語教師の資格を取るための学校へ通い始めました。
以前フランスに住んでいたとき、フランス語も全然できないし仕事が全然見つけられなくて困っているときに、日本語教師をしている友人からとてもおもしろい話を聞けたので少し興味があったんです。
調べていくうちに段々「日本語という自分の母語を教えるってなんて素敵なんだろう!」と思ってきました。
日本語教師になるために
日本語教師になるには、いろんな方法があります。
最も簡単なのが「日本語教師養育講座420時間コース」というものです。
420時間学校や通信で学ぶと、資格をもらえるというものです。
座学だけでなく試験や実習ももちろんありますが、その配分は学校によって異なります。
次は「日本語教育能力検定試験」でしょうか。
ザ・検定試験ですね。
暗記して合格ラインに合格すると資格を手にできるというものです。
これは座学だけなので、実際にどうやって教えるのかは学べないので、これだけ持っているからといって実際の授業は難しいそうです。
あとは、大学で日本語教育の専攻を取って資格を取ることです。
これは大学に入る前から決まっていないと難しいので、なかなかここ出身の先生も実際に少なかったです。
語学学校の募集では、上記3つのいずれかの資格を持っていることが条件となっていることが多いようです。
ただ、例えば2人応募があって、420時間の資格か検定試験のどちらか持っている人より、両方持っている人の方が優位という実情があります。それは他のことでも同じですよね。
ちなみに、特に外国に多いそうなんですが、なんの資格もなく働いている先生もたくさんいらっしゃるそうです。
豊富な経験を活かして資格関係なしにバリバリ働いているそうです。
学校を決める
実は愛知県にも日本語教師の学校もいくつかあります。いくつか話を聞きに行きましたが、結局ECCに決めました!
http://www.ecc-nihongo.com/yosei/
ECCって"英会話教室"というイメージで、フランス語、韓国、イタリア語などその他の語学教室をやっていることすら知りませんでした。
決め手は以下の通りです。
- 期間(6ヶ月間、4月・10月始まりのみ)
- 時間帯(平日昼間だけ)
- 生徒数(1クラス最大10人)
- 実習が多い!(他の学校を終えた人が実習だけ受けにくるケースもある)
- 交通の便(金山駅から徒歩5分)
- 金額のこと(最も安かった+話を聞きにいったので入学金免除でした!)
- ECCにはたくさんの留学生がいるので、身近に日本語教育というのを感じられること
あと、仕事を辞めたばかりで 教育訓練給付金 の対象だったことで、終了後手続きすることで10万円支給されるというんです!(実際にすぐ入金してもらいました)
ちなみにこのとき、ハローワークに通っていて失業手当を支給してもらっていました。
失業保険をもらっている最中にこういった学校に通うと、ハローワークに紹介されていく職業訓練の学校と同様とみなされ給付金の対象となったので、これは私にとってかなり大きな決め手になりました。
他に例えば、ヒューマンアカデミーという学校も話を聞きに行きました。実際に聞きに行ったのですが、なかなか内容は悪くなかったと思います。
ただ、金額が少し高いこと、授業はがんばれば最短半年で終了できるけど、それにはうまく授業を組み合わせなければならないことなど・・・とても悩ましいものでした。
きっと普段働きながら、夜だけ・土日だけとかで通う方はヒューマンがとても合っていると思います。自分でスケジュールを組み合わせるのがメリットです。
ちなみに、私はそこまで感じませんでしたが、ヒューマンに話を聞きに行った友人たちは口を揃えてこちらの営業はかなりゴリ押しすぎて感じが悪いと言っていました。笑
担当者が違ったのでこれは運だと思いますが、おそらく彼らは歩合制なんだと思います。まあ営業はしょうがないですね。
トータルでかかった金額
こういうお金の話ってあんまりするものじゃないのかもしれませんが、、、一番気になるところですよね。特に通おうか迷っている人にとっては!
ってことで、全部ぶっちゃけますね。
半年通ってかかった金額は・・・¥594,224 なり (たぶん)
内訳は以下の通り。
ECCの授業料・・・¥518,400
入学金・・・¥21,600
教科書代(8冊+プリント代)・・・¥21,731
交通費・・・だいたいざっくり¥85,000
※最初の3ヶ月は車だったり電車だったりで通学しました。また後半はほとんど電車でしたが、週3日だけだったので定期は買わず。それでも定期代よりは安く済んだ。
車の場合、ガソリンは考慮せず、駐車場は1日600円。電車の場合、片道500円。地味に高い。
(☆後から自分で購入したもの)
文型辞典など(4冊)・・・¥11,124
教材(4冊)・・・¥9,828
電子辞書(日本語に特化したコンテンツ入りのもの)・・・¥42,115
指示棒やマグネットなど小物類たくさん(ほとんどは100均)・・・¥6,026
上から引かれるもの
入学金免除・・・▲¥21,600
教育訓練給付金・・・▲100,000
後から自分で購入したものは、必須ではないので必要なければ買わなくていいです。でも実際に教えることになったら必要になってくるものです。
完全に自分への投資ですが正直、全然安くない買い物ですよね。就職するのにこんなにお金がかかるなんて・・・と思いますが、私は通ってよかったです。
日本語ってすごくおもしろいんですよね。教えるのが楽しみです。
それに一緒に学んでいた方々がとても素敵な方達だったのも大きいです。ちょうど学校へ通っているときに母が亡くなりました。そんなときにおそらく前職のままだったら、心が折れてしまっていたかもしれない。一緒に学んでいたみなさんに本当に支えられました。
この半年の経験がフランスでの仕事へつながるといいです。というか是非とも繋げていきたいです!
正直な話
実際に卒業と同時にほとんどの方がECCや他の語学学校へ就職しました。
今、日本語教師の数は圧倒的に足りていないそうです。募集もたくさん出ています。
しかしながらその反面、給料はあまりよくないです。
非正規社員でない人がほとんどですし、正社員だとしても男性が一家を安心して支えていくだけのお給料は期待できないそう。
ちょっと厳しい世界ですよね〜
なので、多くの先生が掛け持ちで働いていました。
金山の日本語教室のあるECCは2つあって、一つは日本の大学へ進学するために留学している外国人、もう一つはなんらかのビザを持って日本に滞在している外国人向けになっています。
なので、基本的に昼間の授業なんですが、それ以外にも仕事で日本にきている外国人には夜のプライベートが多いそうです。
そうなると、子どもがいたり家庭のある人には難しいんですよね〜。
でも逆に言うと、自分の都合で働く時間を決められるので、融通のきく仕事とも言えるかと思います。
英語必須?
「もちろん外国語が話せないといけないんでしょ?」
学校へ通っているときに、よく友人から聞かれました。実はそんなことありません。
私が学校で学んだのは"直接法"といって、日本語で日本語を教える方式です。他に"間接法"という相手の話す言葉で日本語を教える方式もあります。
直接法だと日本語で日本語を教えるので、必ずしも英語が話せないといけないわけではありません。もちろん話せた方がなにかと便利かもしれませんが・・・
フランスの語学学校ではまず直接法です。フランス語しか話せない先生ももちろんいて英語の達者な生徒は必ず英語で質問します。そのとき先生は「英語わかんない〜はは!」って言います。笑
それでも私は自分がフランス語が上達してると思うし、むしろフランス語の嵐の方がいいこともあると思います。結局学生のやる気次第だと思うんですよね(笑)
日本語に限らず外国の言葉って音声が難しいので、私は外国語を学ぶ際も直接法をおすすめします^^
私が買った教材や小物などもそのうちご紹介しようと思います。・・・読みたい人いないかな?笑
"フランス在住"に関わらず日本でも日本語教師をたくさん募集しているので、自分のやりたいことが見つからない、とか今の仕事に満足していないという方は、一度調べてみてもいいかもしれないです^^
ちなみに私がいま住んでいる地域に日本語学校はもちろんありません。パリへ行けばたくさんあるのですが、パリまで行く体力と気力がないので選択肢に入っていません。
なので、個人でちらちらやって、自分のお小遣いくらい稼げたらいいな〜と思っています!がんばりま〜す♪♪